今年は「見えない部分の進化」が目立った。
数値化、材料変更、加工精度向上といった基礎技術の深化である。
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🧵 GOSEN|感度を“数値化”するライン開発
📷 写真:GUIDUSPE9展示


GOSENは新型PEライン「GUIDUSPE9」を展示。
特徴は高感度設計である。
従来の4本・8本編み構造に対し、中心に感度特化素糸を配置し、その周囲を8本で編み込む独自構造を採用。
伸びを抑制し、従来比148%の弾性係数向上を実現したという。
興味深いのは、感度という曖昧な要素を「縦弾数係数」として定義し評価している点である。
ラインを垂直に引っ張り、微小伸びを測定することで比較している。
さらに33本ヨリのPEラインも展示。
価格は17600円/1600mと高額だが、技術力を示すショーケース的存在であった。
🧰シマノ|最高級プライヤーと技術体験
📷 写真:新型プライヤー



今回展示されていた新型プライヤーは、約4万円という価格設定がまず目を引く製品である。しかしその価格には明確な理由がある。
ボディはフルメタル構造を採用し、削り出し加工によって成形されている。プレスや鋳造ではなく、リールパーツと同様の高精度加工を施すことで、剛性と寸法精度を高いレベルで両立している。強い負荷がかかる場面でも歪みにくく、長期使用を前提とした設計である。
素材には一般的なステンレスではなく、より強度と粘りを持つ高強度SUSが用いられているとのこと。この素材は硬く加工難度が高いため、材料費だけでなく加工コストも上がる。価格の多くは、この素材選定と削り出し工程に由来していると考えられる。
さらに印象的だったのは可動部の設計である。通常、工具はガタつきを嫌って隙間を極限まで詰める傾向にあるが、本製品ではあえて微小なクリアランスを持たせている。これは釣行後の洗浄時に水が入り込みやすくし、塩分や汚れの残留を防ぐための設計である。精度を保ちながら“塩抜け”を成立させるという思想は、実釣環境を強く意識したものである。
一方で、ロック部に樹脂パーツを採用している点は意見が分かれる部分かもしれない。しかし、総合的に見ると素材、加工精度、設計思想が一貫しており、「一生物」と呼ぶにふさわしい構造であると感じた。単なる高級ツールではなく、耐久性と整備性を両立させた実用重視の設計である。
📷 写真:インフィニティドライブ体験

インフィニティドライブは、巻き出しの軽さとパワー伝達効率を高めるための構造技術である。
従来の構造では、メインシャフトがボディ内部の支持部と常時接触する形で格納されていた。この設計はガタつきを抑える反面、常に摩擦抵抗が発生するため、巻き始めの初期トルクが重くなりやすいという側面があった。
インフィニティドライブでは、シャフト支持構造そのものを見直している。必要な剛性と精度を維持しながら、接触抵抗を減らす設計へと変更することで、巻き出し時の摩擦を低減。結果として、初期入力がよりリニアに伝わる構造となっている。
会場では未搭載モデルとの巻き比べが可能であった。巻き始めの軽さは確かに体感できる。ただし、劇的な変化というよりは、確実に差があるという印象である。長時間の使用や高負荷環境において、その効果がより明確になる技術だと感じた。
単なる軽量化や部品変更ではなく、支持構造を再設計するアプローチは、ギアメーカーとしての強みを活かした進化である。感覚的な「巻き心地」という要素を、構造設計によって改善する点に、この技術の本質がある。
🧪 SUNLINE|プラズマ処理
📷 写真:SUNLINEプラズマライン展示



サンラインブースで最も印象的であったのは、プラズマ処理技術の展示である。今回の提案は単なる新製品紹介ではなく、「ライン性能をどの工程で引き上げるか」という根本的なアプローチの提示であった。
一般的にPEラインは、原糸そのものの性能差よりも、最終工程であるコーティング技術によって差別化されることが多い。PE原糸の供給源は限られている(サプライヤーが同じ)とされ、各メーカーはその糸にどのような加工・表面処理を施すかで機能性を高めている。その中でサンラインは、コーティングの“前工程”に着目した。
プラズマ処理とは、物質の第四状態と呼ばれるプラズマを利用し、対象物の表面を微視的に洗浄・活性化する技術である。高エネルギー状態のガスを用いて放電させることで、表面の微細な汚染物を除去し、さらに官能基を付与することで密着性を向上させることができる。
この処理をPEラインの生糸に施すことで、従来は密着しにくかった高機能コーティング剤を強固に定着させることが可能となったという。外観や太さを変えることなく、耐久性や滑り、操作性といった性能を底上げできる点が特徴である。
特に興味深いのは、この技術が半導体や精密分野で活用される表面改質技術である点である。極細繊維に均一にプラズマを照射するためには、放電条件やガス種の最適化が不可欠であり、相当な試行錯誤があったことが想像できる。
実際に展示されていたサンプルに触れたが、外観上の変化はほとんど感じられない。それでも性能が向上しているという説明は、いかにも“内部進化型”の技術である。
派手さはないが、材料工学的なアプローチによって性能を高める姿勢は非常に理にかなっている。2026年の展示全体を通しても、見えない部分の進化が進んでいることを象徴する内容であった。
まとめ|2026年は“見えない部分”で差がつく時代へ
フィッシングショーOSAKA 2026の技術展示を振り返ると、今年は明らかに「見えない部分の進化」が主役であった。
GOSENは感度という曖昧な要素を“数値化”することで設計へ落とし込み、
シマノは駆動構造と加工精度の深化によって巻き心地と耐久性を高め、
サンラインはプラズマ処理という異分野技術を導入することで、ライン性能の土台を再設計していた。
いずれも外観や派手なスペック変更ではない。
材料、構造、表面処理といった基礎技術の改良である。
しかし、釣りという行為は細かな違いの積み重ねで結果が変わる世界である。
初期トルクのわずかな差、伸び率の僅差、コーティング密着性の向上。
これらは一回の釣行では感じにくくとも、積み重ねれば確実に体感へと変わる。
2026年は、スペック競争から“設計思想競争”へと移行した年である。
見えない部分にこそ、メーカーの技術力と哲学が表れている。
2026年は「見えない部分の進化」が顕著。
素材・構造・加工精度といった基礎技術が深化している。
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最後に|2026年 The KEEP CAST 参戦予定!
本記事を最後までご覧いただき、本当にありがとうございます。
フィッシングショーOSAKA 2026では、「見えない部分の進化」というテーマが非常に印象的でした。
素材、構造、加工精度といった基礎技術の深化が、確実に釣りの未来を押し上げていると感じています。
そして次に向かうのは――
2026年 The KEEP CAST(ザ・キープキャスト)です。
The KEEP CAST(キープキャスト)とは?
The KEEP CAST(ザ・キープキャスト)は、毎年名古屋で開催される中部地区最大級のルアーフィッシングイベントです。
📍開催日:2026年3月14日(土)・15日(日)
📍会場:ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
国内外の有名メーカーや人気ブランドが集結し、新製品展示・限定アイテム販売・トークショー・体験イベントなどが行われます。
フィッシングショーOSAKAと並び、春の新製品シーズンを占う重要な展示会として位置づけられています。
特に物販ブースの熱量は非常に高く、イベント限定カラーや数量限定アイテムを求めて早朝から行列ができるのもキープキャストの大きな特徴です。
メーカー担当者と直接話せる距離感の近さも魅力の一つであり、単なる展示会ではなく「参加型イベント」として楽しめるのがキープキャストの醍醐味です。
今年も参戦します
筆者は例年通り、2026年も現地参戦予定です。
毎年恒例となっている限定カラー争奪戦。
実は筆者、毎年記念品として限定カラーを手に入れるため前日から並んでいます。
まだ暗い時間帯から始まる待機列。
徐々に高まる会場の熱気。
そして開場と同時に動き出すあの瞬間。
釣りとはまた違った緊張感と高揚感があります。
そのリアルな様子も、できる限り発信していく予定です。
事前リクエスト募集中です
キープキャスト2026に向けて、
・このメーカーを重点的に見てほしい
・この新製品を触ってきてほしい
・限定カラー情報を知りたい
・混雑状況や並び時間が気になる
などありましたら、ぜひコメントで教えてください。
可能な限り現地で取材し、リアルな情報としてお届けします。
皆さまのコメントが、次の記事の方向性を決めます。
ぜひコメントをお待ちしています
この記事が少しでも参考になりましたら、
ぜひ一言でもコメントをいただけると嬉しいです。
✔ 大阪で気になった技術
✔ キープキャストで期待しているメーカー
✔ 限定カラーで狙っているアイテム
どんな内容でも構いません。
次は名古屋で、そして釣り場でお会いしましょう。


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